令和4年11月定例議会一般質問要旨
令和4年11月定例議会一般質問要旨
令和4年 11月14日
自民党・無所属会派
文京区議会議員 浅川 のぼる
質問:まず初めに、新型コロナウイルス感染症の影響で被害を受けられた方々に、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い収束と地域経済の復興を願っております。現在、主流となっているオミクロン株に対して、既存の抗体が効きにくくなる変異株が確認されましたが、国内で、全ての変異株に効果のあるユニバーサル中和抗体の開発に成功したという明るいニュースも入ってきました。そのような中で、医療従事者や保健所等の関係機関をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様、高齢者施設や障害者施設、児童施設等で勤務されます皆様に心より感謝申し上げます。 自由民主党・無所属の 浅川 のぼる です。会派を代表致しまして、質問をさせていただきます。区長、教育長には、明快なご答弁をよろしくお願い致します。 初めに、「旧元町小学校の整備と元町公園との一体的活用事業」についてお聞きします。 今年7月に区民説明会が開催され、旧元町小学校と元町公園の設計についてのご説明がありました。現在は旧元町小学校の活用施設側の地下躯体の解体工事が行われ、元町公園では先行撤去工事と埋蔵文化財調査が行われています。工事が遅延することなく、令和7年4月に施設の利用ができることを期待しております。 当初の基本設計・実施設計は令和3年2月に出来上がり、施設の運営開始は令和6年3月末でしたが、コロナ禍の影響で既に予定が1年延びております。しかし、これまで区民からの様々な質問や近隣7町会との意見交換において、区側が実に丁寧に対処していただいたことを高く評価します。それらのご意見を十分検討したうえで設計に反映していただけたものと認識しております。 ところで、これらの整備にあたって、敷地の東側と西側の道路の老朽化が進んでいます。今回の改修工事と併せて道路改修も行ってほしいのですが、如何でしょうか。また、以前は敷地境界にブロック塀があったため、歩行者用の道路が狭かったのですが、歩行者用の道路を広く確保してほしいと思います。区のお考えをお聞かせください。 それから、医療的ケア児支援事業について、説明会では運営時間が未定となっていましたが、小学生も預かることになるため、運営時間については放課後、夕方まで預かるようにしてほしいのですが、区の見解を伺います。また、駐車場がしっかりと確保されている本計画において、児童の送迎も期待していますが、如何でしょうか。 さらに、カフェについては、ある区内企業が運営することになったため、より地域に根差した取り組みを期待しています。こちらの企業との連携強化に向けての区の見解を伺います。 また、元町公園については、滑り台や砂場を保存することになりましたが、地域からもその有効活用についての要望が出ていると聞きました。滑り台や砂場についてはオブジェとして残すだけではなく、地域の子供たちがその地域の歴史を楽しむためにも有効活用をしていただきたいところですが、区のお考えを伺います。 震災復興公園として歴史的にも注目されている中で、旧元町小学校の建物が避難所となります。そして、元町公園との一体的活用事業ということですので、災害にも強い公園として整備していただきたいと願っております。地域における防災力強化や青少年に対する健全育成の観点からも、火起こしなどの体験やかまどの扱い方などが出来る実践的な防災訓練の場所として、区民が気軽に活用できるようにしていただきたいと願っております。例えば、災害時にすぐに使用できるよう、防災機材の備蓄や保管ができる場所を確保するなどの工夫も必要となりますが、今後の展開について伺います。
区長:最初に、旧元町小学校と元町公園との一体的活用事業に関するご質問にお答えします。まず、敷地東側及び西側道路の改修工事についてのお尋ねですが、議員ご指摘のとおり、当該道路については、老朽化が進んでいるため、敷地全体や敷地周辺のライフライン等の工事の進捗状況を踏まえ、今後、改修内容や時期について検討してまいります。 次に、歩行者用道路についてのお尋ねですが、当該道路については、敷地と道路を一体的に整備することで、歩行空間を広く確保できるよう、検討しているところです。近隣町会と、外構の仕様などについて意見交換しており、地域の意見も踏まえながら、整備を進めてまいります。 次に、医療的ケア児支援事業についてのお尋ねですが、本事業が医療的ケア児の交流活動の場として、利用しやすいものとなるよう、現在、事業者と事業内容等の協議を行っているところです。運営時間や車両を使用した送迎についても、今後、協議を進めてまいります。 次に、カフェ運営事業者との連携についてのお尋ねですが、本計画地に整備するカフェの運営事業者が区内事業者となり、区としても、地域に根ざした事業展開に期待しているところです。また、当該事業者については、本計画地のほかでも、社会福祉協議会と連携した、地域の居場所への支援に向けた取り組みを、現在、進めていると聞いております。 次に、元町公園の滑り台や砂場についてのお尋ねですが、滑り台については、特徴的な意匠を残すよう部分的な改修を行ったうえで、イベント時に限定した利用など、安全性を考慮した、適切な活用手法を研究してまいります。また、砂場については、周辺を安全基準に適合した舗装材を用いて整備したうえで、引き続き、砂場として利用してまいります。 次に、元町公園の防災機能についてのお尋ねですが、隣接する避難所との一体的な活用 に向け、園内にマンホールトイレを設置するとともに、災害時の火の使用を想定した防災用品等を収納できるベンチの整備を予定しております。また、議員ご提案の実践的な防災訓練は、地域の防災行動力の向上の観点からも、重要であると認識しております。今後、防災訓練での火の使用について、利用条件等を検討するとともに、近隣町会などとも協議しながら、区民にとって活用しやすい公園となるよう、計画を進めてまいります。
質問:次に「町会・自治会における防災意識の向上」についてお聞きします。 私は昨年度まで町会長を10年間経験させていただました。この間、新たに集合住宅が建ち並び、新しい居住者が急激に増えてきました。そして、それぞれの集合住宅の理事長などが、町会の定例会議や各種行事のお手伝いに積極的に参加して、町会と集合住宅との関係は、年を追うごとに良い形に収まってきたと実感しております。また、町会員が町会に最も期待するものは災害時における町会の防災対策で、特に高齢者からの声が多いことに気づきました。それを受けて、防災訓練や町会員の連携が重要課題であるということが町会の中でも認識され、毎年東京都の防災講習を開催するようになりました。 ところで、区内の各町会における集合住宅等の対応について、区は発災時に在宅避難を求めていますが、各地域において、それぞれの町会・自治会と集合住宅との共助についてどのように訓練したら良いのか、事例があれば教えてください。これは大変重要なことで、発災後の混乱をできるだけ避けるためにも、在宅避難した後の居住者の行動について、どのようにすれば良いのか情報が行き届いていないからです。また、避難所運営協議会を通した地域の防災訓練を、区主導ではなく地域ごとに自主的に行う訓練をお考えと伺いましたが、どのように進めていくのか伺います。発災時に各集合住宅の居住者も含めた在宅避難において、特に対応の窓口となる管理組合さんは、町会と連携して現況に即した共助が必要になると思います。避難者受付カードの存在や提出先などの情報も周知が行き届いていない状況で、集合住宅の居住者を含めた在宅避難者と避難所運営協議会の連携を図るための情報共有が、区内全域にしっかりとなされているのかお尋ねします。
区長:次に、町会・自治会における防災意識の向上についてのご質問にお答えします。町会・自治会と集合住宅との協力関係は、災害時において重要であることから、区では、防災講話や、消火訓練・地震体験車などによる体験型訓練等を合同で実施するなど、訓練を通じた両者の顔の見える関係づくりに努めております。また、2巡目を迎える避難所総合訓練においては、各避難所における課題を踏まえ、避難所運営協議会が、より主体的に取り組めるよう、計画してまいります。さらに、町会・自治会の自主的な訓練を促進するため、来年度より、防災アドバイザーを派遣し、計画から実施までの支援をいたします。こうした取り組みを通じ、地域の防災力の向上を図ってまいります。なお、在宅避難者への支援に関しては、区ホームページの充実を図るなど、これまでも周知に努めてきたところです。今後も、様々な広報媒体を活用し、一層の周知に努めながら、在宅避難者と避難所運営協議会との連携が円滑に図られるよう、取り組んでまいります。
質問:次に、「避難所運営協議会と避難行動要支援者への対応」についてお聞きします。 コロナ禍ではありますが、各地域で防災訓練などが動き始めました。我が町会における避難所運営訓練は初期のころで、開設キットもなく、新型コロナウイルス感染症対策編などによる避難所運営の見直しも行われ、防災訓練の流れに乗り遅れてしまった印象があります。今後は、町会・自治会などにおいて自主的な防災活動に移行していく予定と伺っております。その中でも、避難所運営協議会においてレベルアップの方法などを検討していくことはもちろん、いろいろな課題に対処できる体制を整えることが必要かと思います。そして、ガイドラインを参考に新型コロナウイルス感染症対策用の避難所運営マニュアルを作成し、訓練を実施することになっていると認識しておりますが、避難所運営マニュアル作成について、町会・自治会としてはどのように対処していったらよいのかお尋ねします。 また、避難行動要支援者の支援については、発災時に、町会で名簿を預かっている者が、運用マニュアルに従って安否確認や支援を行うこと、また、避難所への安否情報の提供が役割に挙げられています。町会としても支援の手を差し延べたいところですが、どのようにしたらよいのか実際に経験してみないと具体的には分かりません。その点、今年度、汐見地区で、避難行動要支援者を交えて行われた防災訓練はたいへん興味深く、その訓練について情報を共有させていただきたいと感じました。是非、書面により手順についてまとめたものを作成していただき、参考資料として配布をお願いしたいと思いますが如何でしょうか。また、具体的に避難所総合訓練の実情と避難行動要支援者の避難訓練の今後の見通しについて伺います。 避難行動要支援者に対して、顔の見える関係づくりや防災訓練への参加促進なども含め、地元の民生委員・児童委員や社会福祉協議会との連携も必要となります。コロナ禍の影響で防災訓練もままならず、いざ災害が起きたときに先行きがたいへん不安だという町会・自治会も多いと思います。発災時の要支援者の安否確認において、町会・自治会の名簿保持者に対して、区はどのような手助けを望んでいますか。また、今後の展開についてもお尋ねします。
区長: 次に、避難所運営協議会と避難行動要支援者に関するご質問にお答えします。まず、避難所運営マニュアルの作成についてのお尋ねですが、区では、避難所運営協議会に対し、円滑かつ効果的な避難所運営が図られるよう、避難所運営ガイドラインに基づく、運営マニュアルの作成を促しております。マニュアルの作成にあたっては、協議会の中心を担う町会・自治会が地域の実情を反映することが重要だと考えており、区としても引き続き必要な支援を行ってまいります。 次に、避難行動要支援者訓練についてのお尋ねですが、本年5月に、汐見小学校で実施した訓練内容や実施手順については、区ホームページで公開しており、今後、避難所運営協議会の全体会等を通じ、改めて周知を図ることとしております。また、区では、これまで、避難所総合訓練において、要配慮者対策をテーマとした訓練を行ってまいりましたが、汐見小学校の訓練では、避難行動要支援者本人にも参加いただき、より実践的な訓練とすることができたものと考えております。今後も、町会・自治会、民生委員・児童委員や要支援者等のご協力のもと、要支援者の様々な状況を踏まえた、より実効性のある訓練を、継続的に実施してまいります。次に、要支援者の安否確認についてのお尋ねですが、区では、避難行動要支援者名簿の有効活用を図るため、運用マニュアルを作成し、マニュアルに基づく対応を周知しているところです。具体的には、安否確認者と連絡を取り、要支援者の状況を区へ報告いただき、避難状況及び安否状況に応じて、避難誘導や救出救護等の必要な支援をお願いしております。今後は、要支援者の適切な支援に向け、個別避難計画の実効性を高めるために、町会・自治会等との協議の場を年内に設け、課題の整理を行うとともに、関係者間の連携強化を図ってまいります。
質問:次に「樹木の倒木対策の方向性と外来生物の動向」についてお聞きします。 最近は、台風や線状降水帯による風水害により、樹木の倒木による被害が発生しています。文京区の倒木管理としては、年間を通して街路樹や公園樹木の全体の1/3にあたる高木類に対して樹木診断を行い、少なくとも3年に1回の頻度でチェックを行っているとのことでした。このチェックの結果と対処方法についてお尋ねします。 まずは、令和元年度から現在まで、街路樹や公園樹木の高木類について樹木医による外観診断を行い、精密診断が必要となった樹木の占める割合がどれくらいなのか、また、空洞検査の結果空洞率が50%以上となった樹木の割合はどれくらいなのか教えてください。そして、現在伐採が必要とされる樹木の本数と、近いうちに伐採を考えているが、まだ作業できていない樹木の本数をお尋ねします。 伐採は必要だが手を付けていない樹木に対し、強剪定や支柱設置などの応急処置が必要かと思います。倒木や幹・枝の落下事故を未然に防ぐ意味でも、たいへん重要な作業であり、難しい判断となりますが、主にどのような方法で倒木や幹・枝の落下を防いでいますか。そのあたりの対処方法についてのお考えと、今後の対策についてお尋ねします。 また、昨今は外来生物の侵入により被害を受け、その動向と対処方法が気になるところです。例えば、カシノナガキクイムシは在来種ですが、東京においては2008年ごろ確認され被害が広がっていきました。また、白山通りの東京都の街路樹では、2003年ごろからプラタナスグンバイが発生し、消毒すると近隣住民や歩行者に迷惑がかかるため、駆除をせずに放置したまま現在に至っております。また、2009年ごろ、ウメが大被害を受けたプラムポックスウイルスについては、青梅市のすべてのウメを伐採して被害を食い止めた例もあります。さらにサクラの根元を枯らすクビアカツヤカミキリは2015年ごろ、クスノキが異常落葉を起こすクスベニヒラタカスミカメは2018年ごろ東京で確認された外来生物です。これらは厄介なことに、外来種であるゆえに使える農薬などが整備されておらず、農業害虫とするか、外来種問題とするか、都市緑地問題とするか、担当する部署が行政内で分散しているため、迅速かつ徹底した対応が取れた被害地が少なかったようです。しかし、被害抑制に成功している被害地にはいくつかの共通点があります。病害虫の追跡調査をしてこまめに捕獲や駆除の対策を取っていたところでは、大きな被害を免れたそうです。これから更にサクラやクスノキの被害が拡散していくでしょうが、これらの外来生物に対する区の対応と今後の見通しについて伺います。 さらに、樹木の根上がりについても、その防止や若齢木での根茎誘導などの研究が進んでいます。既存の対応から一歩進んだ対策が取られるようになると思いますが、費用対効果の面から作業をするかどうか判断に迷うところだと思います。根上がりの原因は踏圧による締固めが主で、地盤が固まってしまうことで酸素が均等に行き渡らず、酸素を求めて根が地上に浮き出してしまう現象です。この根上がりについての対策と今後の見通しについて伺います。
区長:次に、樹木の倒木対策の方向性と外来生物の動向に関する質問にお答えします。まず、樹木診断の結果についてのお尋ねですが、令和元年度以降の診断の結果、精密診断が必要となった樹木の割合は、街路樹21.5%、公園樹木34.7%となっております。そのうち、空洞率50%以上の樹木は,街路樹9%、公園樹木19.3%となっております。また、伐採が必要とされた街路樹は、57本となっており、既に作業を完了しております。公園樹木については、150本となっており、そのうち未着手である36本についても、年度内に作業が完了する予定です。 次に、倒木や幹・枝の落下への対策についてのお尋ねですが、区では、樹木診断によりその状態を判定し、危険個所の早期発見に努めており、必要に応じ、木製支柱の設置、ワイヤーによる固定等の処置を行っているところです。また、区民等から通報があった際には、区職員等が速やかに現地を確認し、必要な処置を行っており、今後とも迅速な対応に努めてまいります。 次に、外来生物や樹木の根上がりへの対策についてのお尋ねですが、区内では、カシノナガキクイムシの被害が確認されており、粘着シートの被覆による対応をしているところですが、引き続き効果的な対応策について、他自治体等とも情報交換しながら、研究してまいります。また、根上がりの対策については、舗装等の下に根が広がることのできる空間を確保できるよう、検討を行っております。
質問:次に「10年後のみどりの将来像への取組方針」についてお聞きします。 樹木の働きの一つとして炭酸同化作用があり、夜間に空気中の二酸化炭素を吸収して酸素を作り出すことで、地球温暖化防止に寄与しています。また、四季折々の景観に癒され樹木は人にやさしい環境を作ってくれます。そこで、「文京区みどりの基本計画」の基本理念として、文京区が今後どのようにみどりを守り育んでいくのか、10年後のみどりの将来像への取組方針が示されています。つまり、10年後のあるべき姿に向けた維持管理の技術と手法が求められています。何気なく毎年剪定している樹木と、10年後に目標を定めた剪定方法では、明らかに仕立て方に違いが出てきます。それを目指すための技術や理論をしっかりと持っていなければ、計画的に美しいまちの景色は作れません。その考え方をもとにできた資格が、街路樹剪定士です。10年後により美しい町並みを作り上げるためにも、技術の伝承は必要となります。先ほど述べた樹木診断や害虫駆除、根上がりなどの問題は、文京区のみどりを維持管理し続けていく以上、将来にわたり避けては通れないものです。10年後の将来像に向けて樹木を仕立てていく技術力の見極め、街路樹剪定士の手法を取り入れた現場技術者への助言、いろいろなトラブルへの的確な判断力などを、しっかりと業者に求めていただきたいと思います。樹木本来の特徴を見極めた管理を是非お願いしたいと思いますが如何でしょうか。また、樹木維持管理の更なる技術の向上と、統一性を持った理論の習得を図ることは区の職員にとっても大事なことでありますが、それに関するお考えと課題も含め、今後の樹木維持管理の方向性について改めてお尋ねします。
区長:次に、10年後のみどりの将来像への取り組みについてのご質問にお答えします。街路樹や公園等の樹木については、地域の要望も踏まえながら、景観に配慮した剪定を行ってまいりました。今後、街路樹剪定士の手法を取り入れるなど、現場の状況にあわせた樹木の適切な維持管理を行ってまいります。また、区職員についても、将来的な景観を見据えた、より適切な対応ができるよう、他自治体の事例等も参考としながら、メンテナンスにおける技術や知識の向上に努めてまいります。
質問:次に「青少年の社会参加推進と地域の後継者育成」についてお聞きします。 私が青少年委員会に所属していたころ、「青少年の社会参加」という言葉が一般に広がりはじめ、地域の担い手となるリーダーを育てるために大人たちが協力し、年間を通して地域のイベントに参加してもらうことで、中高生や青年のボランティアが徐々に集まるようになり、仲間意識を持ちながら活動も盛んに行われていました。一方、ある地域の青少年健全育成会においても、中高生や青年リーダーの育成が盛んでした。そして、幼児や小学生を相手にしたコーナーを中学生リーダーが企画すると、そこが一番人気の場所となり、子どもたちの心をつかんだことで自信を持ち、そこから活動が広がって、地元で行われる行事にも積極的にお手伝いをしてくれるようになりました。 文京区のまちを地元の地域から活性化する意味でも、青少年委員会や青少年健全育成会、生徒会やb-labなどにご協力いただき、中高生世代の社会参加につながる事業を後押ししていただけることを期待します。また、自主企画と運営を実践できる行事そのものが、地域におけるリーダーの育成につながりますし、地元の行事にも積極的にお手伝いをしてくれると期待しています。地域の後継者育成のためにも、関連団体とのご協力のもと、積極的にリーダーの育成を展開していただきたいのですが、区の見解を伺います。
教育長:教育に関する質問にお答えします。青少年の社会参加の推進と、地域の後継者育成についてのお尋ねですが、これまでも青少年の主体的な社会参加につながるよう、地域団体の活動を支援してまいりました。地域団体の一つである青少年健全育成会や青少年委員会のイベントでは、地域の中高生がボランティアとしてイベントの企画から関わっている実績もあることから、それらの活動やその仕組みを、それ以外の団体においても共有し、連携できるよう努めてまいります。また、コロナ禍で中止や縮小していたイベントも再開され、多くのこどもたちが参加し、地域の賑わいも戻りつつあります。今後、これらのイベントなども活用しながら、青少年プラザb-labの利用者をはじめ、地域の青少年が社会参画できる機会を提供し、リーダー育成に繋がるよう努めてまいります。
質問:次に「児童福祉問題と児童相談所の運営」についてお聞きします。 9月の一般質問で、同会派の名取委員から児童相談所と子ども家庭支援センターの機能の違いについてお尋ねしました。そのご答弁では、児童相談所は、専門性の高い指導や一時保護などの緊急的な対応、他の自治体との広域調整等を行う機能を持ち、子ども家庭支援センターは、地域に根差した相談機関として、子どもと家庭に関する総合相談事業を行う機能を持つということでした。また、どちらに相談が寄せられた場合でも、迅速かつ適切に対応できる支援体制を構築するとのことでした。ところで、一般の方からの児童福祉に関するご相談を受ける窓口ですが、それぞれの所管で相談を受け、関係部署が連携・協力して適切な支援につなげているものと認識しております。イメージとして児童虐待は「子ども家庭支援センター」、不登校は「教育センター」、ひきこもりは「ひきこもり支援センター」が窓口と考えますが、子どもと家庭に関する相談の中で、複数の案件が重複した場合も、現況はどの相談窓口でも対応は可能なのでしょうか。 令和7年度に文京区の児童相談所が開設されますが、6年度からさらに本格的な準備業務が動き出すと伺いました。子ども家庭支援センターとのすみわけは伺いましたが、今後の開設に向け東京都の児童相談センターとの関係性は、どのように保ちながら準備を進め、開設後にはどのような関係になるのか伺います。また、人員の確保等の準備はたいへんでしょうが、できるだけ文京区の児童福祉問題の状況に詳しい職員を配置していただきたいと願っておりますが、人材確保の成果と課題、今後の見通しについて伺います。 私も以前は、主任児童委員として3期9年、新宿の児童相談センターや子ども家庭支援センターと連携して、児童虐待の問題に係わりました。行政機関の勤務時間外である平日の夜間や休日も、地域の見守りに欠かせないのが主任児童委員や民生委員・児童委員の存在です。今後の開設に向けて、児童相談所や子ども家庭支援センターをはじめ、関係部署や関係機関、特に主任児童委員や民生委員・児童委員との連携が継続的に図られていくことを期待しておりますが、如何でしょうか。 また、文京区の「ひきこもり支援センター」は相談窓口の明確化と情報の一元化により、当事者や家族等を必要な支援につなげる体制が構築され、相談件数も増えていることを高く評価いたします。文京区のひきこもり支援体制が構築されてから3年目となりました。これまでのひきこもり総合対策と、今後の見通しについて伺います。また、支援メニューの拡大や各種団体への研修などを取り入れ、就労支援の工夫がなされたと伺っております。これまでの成果と見えてきた課題についてお尋ねします。
区長:次に、児童福祉問題と児童相談所の運営に関するご質問にお答えします。まず、子どもと家庭に関する相談窓口についてのお尋ねですが、区では、複合的な相談内容について、子ども家庭支援センターや教育センターをはじめ、関係機関が連携・協力をしながら、どちらに相談が寄せられた場合でも、迅速かつ適切に対応できるよう、取り組んでおります。引き続き、一人ひとりに寄り添いながら、丁寧な対応を心掛けてまいります。 次に、児童相談所と都児童相談センターとの関係についてのお尋ねですが、児童相談所の開設に向けては、児童相談センターから、本区の児童に関するケース等の確実な引継ぎを行うことができるよう、都への区職員の派遣のほか、定期的に協議を重ねるなど、密接に連携を図りながら、取り組んでおります。また、児童相談所の開設後においても、一時保護所や児童養護施設等の相互利用を行うなど、都と連携し、子どもたちの福祉の向上に取り組んでまいります。 次に、児童相談所開設に向けた人材確保についてのお尋ねですが、区による新規職員の採用のみならず、特別区人事委員会による児童相談所等の勤務経験者の採用選考の活用などにより、幅広い人材の確保に取り組んでおります。さらに、区内大学を対象とした児童相談所業務の説明会の開催や、福祉等の専門職を育成する大学への職員募集の周知依頼など、就職を控えた世代に対する広報活動にも積極的に取り組んでおり、引き続き、職員の確保に尽力してまいります。また、職員数の確保だけでなく、職員の現場における対応力の研鑽も、重要な課題であると認識しております。そのため、各種専門研修の受講や派遣研修を通じ、体系的な人材育成を図ってまいります。今後とも、職員一人ひとりが当事者意識を持ち、士気の高い組織となるよう、取り組んでまいります。 次に、関係機関との連携についてのお尋ねですが、現在、主任児童委員や民生委員・児童委員も構成員となっている「要保護児童対策地域協議会」において、都児童相談センターも構成員となり、要保護児童に係る協議を行っております。 児童相談所開設後は、都に代わり、区の児童相談所が構成員となることから、支援が必要な子どもや家庭に関し、地域の状況を踏まえた、よりきめ細かな情報共有や協議を重ねられることから、主任児童委員等、関係機関との更なる連携の強化が図れるものと考えております。 次に、「文京区版ひきこもり総合対策」における成果と課題についてのお尋ねですが、本年度は、広域連携支援の3区合同講演会、ひきこもりUX女子会のほか、不登校からひきこもり状態となることへの予防の取り組みとして、教育機関との連携による研修を実施してまいりました。ひきこもり支援センター等での相談件数は、年々増加しており、特に長期間ひきこもり状態となっている方のご家族からの相談が多く寄せられることからも、ひきこもり当事者とその家族への伴走型支援を継続することが、極めて重要であると考えております。そのため、予防を含めた早期相談につなげる支援ネットワークの構築を進めるとともに、伴走支援にあたる支援従事者の更なる支援スキルの向上及びサポート体制の確保に向け、取り組んでまいります。今後も、様々な相談に丁寧に寄り添い、必要に応じ支援メニューを追加するなど、「文京区版ひきこもり総合対策」の更なる充実を図ってまいります。
質問:次に「電動キックボードやEVバイクなどの交通安全対策」についてお聞きします。 最近、普及し始めた電動キックボードやEVバイクも含めた電動自転車等に関して、安全性の問題が取りざたされています。利用するものにとっては便利な乗り物ですが、街中での信号無視や蛇行運転など、車道や歩道を問わずに見られるたいへん危険な行為でマナー違反の運転をしている人が増え、身の危険を感じる場面もあります。また、お酒を飲んだ後に終電に間に合わず、サイクルポートの電動キックボードをリースして家路に向かおうとする人が、メディアに取材されていました。これは飲酒運転に当たりますので、とんでもないルール違反です。 一方、電動キックボードやEVバイクなどの装備についても、必要とされる免許を携帯しているのか、また、本来必要かどうかが車種によって分かれるナンバープレートの有無、車種に応じたヘルメットの義務化の有無など、その区分けが一般の人にはわかりにくい状態にあります。 そして、ルールやマナーも曖昧なまま運転している人たちが、存在することに驚いています。最近では事故を起こすケースも増えてきました。また、残念なことに、先日は自身の運転による死亡事故の一報も入ってきました。文京区内でも、これからこのようなケースが増える可能性があります。そうなる前に、電動キックボードやEVバイクのような新たなモビリティについて、このような状態を放置することなく、取り締まりを図っていただきたいのですが、これまで区はどのような対策を取って来たのか、また、今後の見通しについてもお聞かせください。
区長:最後に、電動キックボードやEVバイクなどの交通安全対策についてのご質問にお答えします。区は、電動キックボード等の交通ルール遵守の徹底を、交通安全運動の重点項目として、区ホームページなどで、免許証の必要性や飲酒運転の禁止など、交通ルールの周知に努めてまいりました。また、EVバイクを含めた二輪車についても、二輪車の交通事故防止を交通安全運動の重点項目として、ヘルメット等の着用などを呼びかけてきたところです。今後も、国や都、警察など関係機関とも連携しながら、交通安全対策に取り組んでまいります。
以上で、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。